自動車チューナーが仕立てる、121万円のレザーコート——BRABUSが挑む「着るカーボン」

· 山崎恭平(ONDO編集長) · ファッション×車
自動車チューナーが仕立てる、121万円のレザーコート——BRABUSが挑む「着るカーボン」

Image by: BRABUS

ドイツのカーチューナー、BRABUS(ブラバス)と聞いて思い浮かぶのは、メルセデス・ベンツのエンジンを積み替え、外装をマットブラックとカーボンで武装するあの黒い高性能車だろう。だが同社の公式オンラインショップを覗くと、コンプリートカーの隣に、本格的なアパレルラインが並んでいることに気づく。中でも異彩を放つのが、121万円のレザーロングコートだ。

121万300円のコートの中身

その名も「Leather Coat with Mono II EVO Print」。価格は121万300円(税込)で、BRABUSが2025年に立ち上げた最上位ライン「Masterpiece Collection」の主力アイテムだ。素材は同社が自動車の内装にも使う特別な”Masterpieceレザー”で、独特のカーボン柄に織り上げられている。背面には「Masterpiece」の名を刻んだプレートと、BRABUSのホイール「Monoblock II EVO」のデザインを立体的にプリントした装飾が施される。

採寸後の納品までは約3ヶ月。完全なオーダーメイドであるため、返品・交換はできない。品番は「BMP-0029-0005-OS」——まるでパーツの品番のような無機質な型番の付き方すら、この会社らしい。

なぜ車のチューナーが、服を作るのか

BRABUSが服に本気を出す理由については、姉妹誌ONDO BLACKBASEのコラム「チューナーはメゾンになった。BRABUSのベントレー進出と“ドロップ化”するラグジュアリーカー」が詳しい。同誌はBRABUSやMANSORYといったチューナーの立ち位置が、もはや”改造屋”ではなく”メゾン”に近づいていると指摘する。艶消し黒とカーボン、赤ステッチという様式を車にもアパレルにも一貫して適用する——それはまさにファッションブランドがコレクションを組み立てる手つきそのものだ。

ファッション側から見た本気度

ONDOで日頃扱う国内ドメスティックブランドのレザーアウターは、10万円台から高いものでも40万円台が相場だ。121万円という価格は、その3倍近い水準にある。これはノベルティ的な”車好き向けグッズ”の範疇ではなく、素材・仕立て・オーダーメイドという条件を揃えた、正真正銘のラグジュアリーアパレルの値付けだと言っていい。

実際、BRABUSのレザー仕立てはこれが初めてではない。過去には米国の著名レザーデザイナーJeff Hamiltonとのコラボレーションジャケット(29万7,300円)も手がけており、Masterpiece Collectionはその延長線上にある、いわば同社のレザー工房の集大成だ。

姉妹誌ONDO BLACKBASEでも

BRABUSをはじめとするチューナー・メーカーの動向、そしてMasterpiece Collectionそのものをクルマ好きの視点から読み解いた記事は、姉妹誌「ONDO BLACKBASE」の「BRABUSが本気で仕立てる、121万円のレザーコート——Masterpiece Collectionの正体」で公開している。ファッションと自動車、両方の視点から見えてくる景色をあわせて楽しんでほしい。

※掲載内容は公開時点の情報です。価格・発売日・在庫等の最新情報は、出典元および各ブランドの公式発表をご確認ください。