【BRAND FOCUS】Maison MIHARA YASUHIRO──靴から始まった、ズレの美学

· 山崎恭平(ONDO編集長) · コラム・考察
【BRAND FOCUS】Maison MIHARA YASUHIRO──靴から始まった、ズレの美学

Image by: Maison MIHARA YASUHIRO

ONDOが今もっとも注目しているブランドを深掘りする連載「BRAND FOCUS」。今回取り上げるのは、靴デザイナーとしてキャリアを始め、いまや東京を代表するブランドのひとつに数えられるMaison MIHARA YASUHIRO(メゾン ミハラヤスヒロ)だ。

独学で靴を作った青年が、パリに立つまで

デザイナーの三原康裕は、多摩美術大学染織デザイン科在学中に独学で靴作りを始め、1996年に自身のブランドをスタートさせた。1997年の卒業を機にブランド名を自身の名を冠した「MIHARAYASUHIRO」に改称し、1998年には青山に旗艦店「SOSU MIHARAYASUHIRO」を開業。靴デザイナーとしてキャリアを積んだ後、2000年代にはPUMAとのコラボレーションで注目を集め、2016-2017年秋冬シーズンより現在の「Maison MIHARA YASUHIRO」に改めた。靴という一点から出発したブランドが、いまではウェア全体を手がける総合ブランドへと育っている。

「溶けたソール」という発明

ブランドを象徴するのは、デザイナー自身が粘土で型取ったオリジナルソールを用いる、溶けたような有機的フォルムのスニーカーだ。量産品にはあり得ない、手仕事の質感と歪んだプロポーション。「ピーターソン」「ウェイン」「ベイカー」といった、まるで人名のような愛称を持つモデル名も特徴的で、それぞれに異なる個性が宿る。

写真の「“WAYNE” OG Sole Leather Low-top Sneakers」(50,600円)は、その代表格。一見するとシンプルな白のレザースニーカーだが、目を落とすとソールが波打つように歪んでいる。完璧を装った不完全——このブランドが一貫して追求してきた「ズレ」の美学が、もっとも分かりやすく表れた一足だ。

靴から始まったからこそのウェア

靴デザイナー出身というバックグラウンドは、ウェアの作り方にも滲み出ている。パリコレクションで培った高いファッション性と、素材への執拗なこだわり。ソールと同じように、シャツやアウターにも「完璧すぎない」歪みが意図的に仕込まれることが多い。

ROYAL FLASHや公式オンラインストア、直営の神宮前旗艦店や福岡国際空港店などで実物を確認できる。まずはあの「溶けたソール」を、店頭で自分の目で見てほしい。写真では伝わらない立体感がそこにある。

※掲載内容は公開時点の情報です。価格・発売日・在庫等の最新情報は、出典元および各ブランドの公式発表をご確認ください。

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